*in リビング 「色気ねえー下着だな、名前2」 リビングでのほほんと洗濯物を畳んでいると、レンが横から「これ、落ちてた」と言ってわたしのお気に入りの下着をぶら下げてきやがった。わたしは、思わず「ギャアアアア!!!」と奇声を上げて、レンの手にぶら下がっている自分の下着を勢いよく奪った。「なななな、なに平然な顔して持ってきてんだよ!お年頃のアンタがねえ!こんな破廉恥なお姉さまの下着なんか見ちゃいけないんだよ!触っちゃいけないんだよ!」「ハッ、どこが破廉恥だ、こんな水玉パンツ。今時中学生も履いてねえよこんなん。みんな大抵紐だよ」「(けなされている!!間違いなく、わたしのお気に入り水玉パンツを鼻で笑った!!そして、恐るべき現役中学生!!!)」という、4コマ漫画のようなやり取りをして、その場は一応何事もなく収まった。(思いっきりあったじゃん!)全く、お兄ちゃん(まあ、所謂レンやリンからするとマスターって人)にはもっときつく言っておかなきゃ。最近、レンが破廉恥ですと! *in 脱衣所 お風呂から上がって、愛用のバスタオルをくるるんと身に纏い、脱衣所に置いてある体重計に目を光らせると、わたしは緊張からゴクリと喉を鳴らした。今日プリンを2個も食べてしまったしチョコも大量摂取してしまったから、もしかするとちゃっかり体重が増えてしまっているかも・・・!と、心配しながらそっと体重計に乗ってみる。すると、わたしが声を上げるより早く後ろから、「意外に体重あんだな、名前2」とどこぞやの少年の声が聞こえてきた。わたしは思わず「ギャアアアアアアア!!!!」と大声を上げると、金色の髪をした少年は「あーうるせえうるせえ」とでも言うように、両手で耳を塞いだ。 「ななななな、なんでいんのよバカ!!!今すぐ出てけ!さもなくば、俺の右腕が火を噴くぜ!?」 「わけわからんこと言うな、幼児体系」 「(幼児言われた年下に、3個年下に幼児言われた・・・・!!!)」 「余分なところに肉つけないで、いるとこもっとつけろよ」 「胸見ていうな!どうせわたしは、一生A止まりだよ!」 「ふーん、通りで小さいわけだ」 「( 泣 い て も い い で す か !?)」 *in 寝室 居間で兄(レンやリンからすると、マスターにあたる人物)とテレビを見ていると、不意にあくびがポロリと零れて、わたしはそろそろ眠ろうかなと思い立った。座り心地の良いソファーにさよならをして、兄に「おやすみ」を告げるとわたしはフラフラ自室へと戻った。そして、さあ寝よう!と思って、布団のなかへいざ入ってみると、そこでわたしはとてつもない違和感を覚える。そう、やけに布団のなかが生温かいのだ。わたしは、ゴクリと息を呑み、まさか・・・と思って、中を覗いて見るとそこには・・・。「んだよ、くっつくな痴女が」「(ああ、わかっていました。わかっていましたよ、わたしは。こういう展開が待ち受けていることを、ね!!)」やはりいました、思春期の男の子代表レンくんが。当然のような顔をして。(テメーは、チャームポイントは泣きボクロだと言い張るどこぞやの坊ちゃんか!!偉そうに!) わたしは声を上げることすら面倒になって無言でレンを布団から放り出すと、「さっさと自分の部屋に戻んなさい!」ともっともらしいことを言った。そうしたら、レンは生意気にも「名前2のベッド、俺のと違って寝心地いいんだよ」と本当か嘘か、定かではないことを、減らず口のお口でそう言うのだった。レンはただわたしに甘えたいのか、それともただ単にわたしのことをからかいたいだけなのか、どちらかなんてわたしには全く予想もつかなかったのだけれど、ただ今わたしがわかっていることはこのレンの行為がとても迷惑極まりないことだけである。 早くわたしは、この疲れた身体を癒したいの。だから、早く出て行ってちょうだいよ破廉恥レンめ。ハレンチめ。 「俺が添い寝してやるから、スペース開けろよ名前2」 「いいです頼んでないです。それよりわたしを早く眠らせてだから早く出て行って」 「遠慮すんなよ、ほら」 どかどかとわたしの言うことも聞かずに、布団の中に潜り込んでくるこの思春期の男の子代表レンは、偉そうに「よしよし、早く寝ろー」と頭をぽんぽんと撫でる。これじゃあ、本当にどっちか年上かわかったもんじゃない。反抗して手を払い除けると、レンはムッと顔を顰めて、わたしのわき腹をこれでもかというくらいコショコショと擽った。「う、ひゃっあは!あひゃはは!やめ、あは!ごめんなさいごめんなさいもうなんにもしませんーーー!」「よし」素直に降参を認めれば、またあやすようにわたしの頭をよしよしと撫でた。(もう、どうでもいいや・・・・・) 「ほら、早く寝ないと、キスすんぞ」 はい!わたしいい子だから早く寝ます!そう宣言して、きつくきつく瞳を閉じた。全く、最近の餓鬼はナマイキすぎて困っちまうぜコンチクショウ!なんて、心の中で嘆きながらわたしはすぐに夢のなかへと旅立っていった。そして、夢のなかでもレンくんに追いかけられるのでした!(悲惨ー!!) |